2010年11月18日
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絶版本は電子羊の夢を見るか・ラブひな電子化?

Written By: 川俣 晶連絡先

(株)Jコミの中の人と言うブログがある (FAQ)」

「うん。何をするの?」

「絶版コミックの電子化らしい」

「どの辺が特徴なの?」

「タダで読める広告モデルで、電子化そのものを読者側に投げちゃうらしい」

「なるほど。確かに金掛かるものね」

「金を掛けない超薄利多売モデルだ」

「でやってるのは誰?」

「赤松健先生である」

「なるほど。けっこう電子デバイスに詳しいみたいだしね」

「しかし、この発想は実は1990年代にNiftyにあったシェアテキストフォーラムという場所でやっていた電子化と同じだ」

「ええっ?」

「本がどんどん裁断されて絶版になっていく状況に問題意識があったわけだよ。絶版本を救う手段として電子化という方法論が模索されていた」

「ということは、斬新な発想ではない?」

「そうだ。斬新ではない。歴史は繰り返していると思うな」

「でも、話としてそういうのって多くない?」

「多い」

「それにも関わらず目を止めたのはなぜ?」

「シェアテキストフォーラムは会社組織として本格的に活動する段階まで行けなかった。キラーコンテンツも十分ではないし、金も十分ではなかった。技術的な意見の集約も上手く機能しなかった」

「それで?」

「少なくともこれは会社組織になっていて、ラブひなというキラーコンテンツもある」

「なるほど」

「現段階でこの試みが上手く行くか、あるいは有意義であるかは分からない」

「それはまた辛い評価だね」

「辛い? 大甘だよ」

「もうちょっと推移を見ていたいってことが甘い評価だってことだね」

「可能性はゼロじゃないからな」

「マジっすか先輩」

「じゃ、映画館行くか。じゃなくて本屋いってネギま!買ってくるか」

「32巻昨日発売らしいっすよ」

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